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2014年4月 7日 (月)

父のたわごとと妹の夢

父は、まゆゆ(仮名)が生まれたとき、
あまりの可愛さから、周囲に「芸能界に入れる!」と自慢しまくっていた。

まゆゆは父が50代のときに出来た子供で、4番目の妻との間に生まれた女の子。

私からすると異母妹になる。

高齢になってから生まれたこどもだから、孫のような存在だったのかもしれない。

私と姉が着させてもらわなかった可愛い服を着て、
客が目に入るところに、特大パネルで写真を飾って、来る人来る人に自慢しまくっていた。

それはまゆゆが3歳のころまで続いたらしい。

この後のことは、父たちが引っ越してしまったので、うわさで聞くことは出来なくなったが、
たぶんというか、確実に、まゆゆは一度も芸能界に応募したこともないだろう。

父はいつだって、口先だけなのだ。

(前回も書いたが、父は、私が子どものころからずっと、
‘陶芸家になれ’‘知り合いの陶芸家のもとで修行’と言っていたものの、
いざその時期が来たときには、なにも用意されてなかった、という過去があった。
陶芸家は私の夢ではなかったが、子どものころから聞かされていれば、それが夢になのだ)

.

時が経って3年前、父が末期がんで余命いくばくもないという噂が私たちのところまで届いた。

父は再婚してるから、私たちの踏み込むところではないと思うけど、
姉夫婦は、場所を調べて、父に会いに行った。

父はやせ細ってはいたものの、生きる希望を持っていて、しゃべる元気もまだあった。

傍らには、17歳なった高校生のまゆゆ。

雑談の中で、まゆゆは「歌手になりたい。」と言ったそうだ。

「音楽大学を出て、歌手になりたい」と。

音楽大学を出なきゃいけない歌手はどんなもの?アイドルなら年齢が行き過ぎてしまう・・・。

ともかく私の経験からして、それは父の暗示が言わせたものに違いないと思った。

幼いころに散々聞かされたことが、潜在意識に残ってしまっているのだ。

父は、まゆゆには‘安定した職業の看護婦になってもらいたい’と言った。

またしてもこの男は、なぜ、このごにおよんでジャンルの正反対な
看護婦という職業を持ち出してくるんだろう?

看護婦になるためには看護学校に入らなければいけない(お金が必要)というのに、
たぶん父はそのことを知らないに違いない。

私の母は若いころ看護婦で、当時は素人でも出来た時代だったから、
父はその情報の記憶のまま止まってるのかも。考え方、時代遅れだよ。

どちらにせよ、夢は叶いそうに見えなかった。

我が家族は、夢を実現させる能力は低い。

.

現在、20歳過ぎたまゆゆは、アルバイトを転々としながら、
今も歌手を目指していた。

偏差値の高い高校を出たというのに、夢のために定職に就かなかったのか、
このご時世で職にあぶれたのか?

ともかく、フリーターなんてもったいないことだ。頭いいはずなのに。
(私の周りでは大学進学率は低い)

実現しそうもない夢を追いかけてフラフラしてる浮遊霊のような状態は、
まさに私と姉の二の舞いじゃないか!

父のたわごとは、時がたっても、子どもの将来への影響力がすごいことを証明していた。

かわいそうなまゆゆ。

実績(歌で賞をとったり)もないのに、20歳過ぎても歌手をめざしてるなんて、
かなり、はたから見ると痛いよ。

ともあれ、私はまゆゆに会ったことが無いので知ったことではないのだが、
姉は父の遺言で「もしもの時は、まゆゆをよろしく」と言われていたので、
まゆゆの今後を心配していた。

姉の旦那の友達がバンドをしているというのを聞き、参加させてみてはどうかと私は提案した。

歌を歌いたいだけなら、満足するかもしれないし、
アイドルのように光り輝きたい、ちやほやされたい場合は・・・・・ちょっと違うかな。

今はご当地アイドルという身近で出来るものもあるから、その手の事務所に聞いてみたらいいのに。

.

夢というのは、実現するまでモヤモヤ悩みし続けて、他のことがないがしろになりがち。

また、夢が実現したらしたで、「こんなはずでなかった」、「イメージと違う」といって、
すぐにやめてしまう場合もある。

夢や趣味が充実してれば、仕事での不満も多少は気にならなくなるし、
または夢をきっぱりあきらめたなら、地に足を付けた生き方が出来ると思う。

とりあえずは、夢に近い何かを経験してみるのも大事なことだと思うのだ。

姉は私の話を聞いて、
「夢を実現してみたら、つまらないと感じて、夢をあきらめさせることが出来るというわけね!」
と嬉しそうな顔をした。

いやいや、私は、バンドをすることでまゆゆの気持ちが落ち着けばと思っただけだ。

でも、きっと、まゆゆは姉たちのいうバンドには入らないだろう。

中年ばかりのバンドの中に、若い女の子が一人ぼっちでは楽しめるとは思えない。
(まゆゆは内向的で暗い性格らしいから)

そもそも、実の姉とはいえ、父の死の間際に現れた、
年の離れた見しらぬ中年の女の言うことなど、聞く耳もたないのがふつうだ。

私は、ただ過去のだらしない自分を見るがごとくに、影ながら「がんばれ」と思うのみ。

20歳なら、まだリカバリー(やりなおしや方向転換)が効くよ。

まず、出来ることから行動だよ、まゆゆ。

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