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2014年5月31日 (土)

捨てられた赤ちゃん猫の死

「犬や猫は、‘野生’だから、赤ちゃんであっても一人で生きていける」

そう思ってる人が、世間には少なからずいる。

だとすれば、この理屈からすると、

「人間は‘生きものの中で一番知能が高い’から、
             赤ちゃんであっても一人で生きていける」

ということになる。

.

とある動物園では、本来、半水中生活しているはずのカバやシロクマの子供が、
水を怖がって泳ぐことが出来ないということがあった。

育児放棄などで、親からやりかたを学べなかったからだ。

なので、飼育員が一緒に水に入り、長い期間をかけて、泳ぎ方などを教えたのだった。

生まれながらの能力と思われてた習性は、
じつは親からの教育で学んで身についたものだった、ということがよくあるのだ。

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✣ 捨てられてた赤ちゃん猫を保護 ✣

5月20日 火曜日。

夕方4時に、母が電話で知人と、子猫が死んだときの処分のしかたについて話し合っていた。

どうやら、野良猫のエサ場になっている「一本杉」に、
目の開いてない赤ちゃん猫を、誰かが捨てて行ってしまったらしい。Photo

しかも、赤ちゃん猫は今にも死にそうな状態のようだ。

1時間後、私は一人、こそっと一本杉に見に行ってみた。

母は、私がこういう話に介入することを、ものすごく嫌い、これ知ったらすごい剣幕で怒るだろう。

私は、そこに置かれている野良猫用の猫小屋の中を、恐る恐るのぞいてみた。

いないことを願って・・・。

赤ちゃん猫の姿は、なかった。

ほっとして立ち去ろうとしたが、赤ちゃんの小さな体では物陰で見えない可能性があると思って、
小屋をバラして、ちゃんと確認することにした。

タオルや座布団などを一つ一つ外し、最後の大きなクッションを取った時、
小屋の奥隅に横たわる赤ちゃん猫の姿が目に入った。

それはさも、何か怖いものから逃げ隠れしようとして、入口から遠い隅にちぢこまった姿にも見えた。

‘あぁ、見つけてしまった。’

落胆と責任の重大さで頭がくらくらしそうだった。

こんな状態では、たとえ赤ちゃん猫が元気であっても、誰も見つけることはできない。

子猫が助けてほしくて人前に出るのと違い、赤ちゃん猫は目も見えない歩けないこともあって、
外敵から身を守るためにじっとしてるのが普通だ。

捨てた人は、そういうことをよくわかってなかったのだろう。

死なせたくないつもりでここに捨てていったのだろうが、これは殺したのと同じことだった。

何人かの通行人は、赤ちゃん猫の存在を知ってたらしいが、
野良猫を扱うのと同様に、目の前にネコ缶を開けて置いていくことしかしなかったようだ。


赤ちゃん猫はミルクしか飲めず、しかも乳房から吸うことしかできないということ、
排せつも、おしりを濡らしてあげないと出せないということを知ってる人はいなかったようだ。


知ってたとしても、面倒だから嫌だったのかもしれない。

ここは無責任に野良猫をかわいがる場所で、
里親探しの場所ではないのだ。

赤ちゃん猫は、捨てられてから、食べ物をもらえず、ほっとかれていたのと同じだった。

赤ちゃんの呼吸する胸の動きが見えず、
一見、死んでるのかと思ったが、かすかに手が動き、生きてることがわかった。

小屋の奥に手を伸ばし、横たわる赤ちゃん猫をつかんだら、
ひんやりした温度が手のひらに伝わってきた。

赤ちゃん猫の体が、驚くほど冷たい。

親ねこの体温で温まることが出来なかったせいで、
外気温の伝わった冷たいプラスチックの壁に体を横たえてたために、
すっかり冷えてしまったようだ。

猫の体温は38度だから、熱く感じなければおかしいのだ。

‘さて、こらからどうしたものか?もうこれ以上猫を飼うことは出来ないし・・・’

かかりつけの動物病院が、いつも里親募集の張り紙をしていて‘当病院で預かってます’ということを思い出し、
ダメもとで相談してみようと思い、すがる思いで病院へ向かった。

あわよくば預かってもらえるかな?という淡い期待も多少はあった・・・。

✢ 動物病院も拒否 ✢

夕方6時すぎ、動物病院で赤ちゃん猫をみてもらった。

先生が、「この衰弱ぶりは、昨日捨てられたものじゃないな。もっとだよ」といった。

私は昨日捨てられてたのかと思っていたが、
事実、あとで母から聞いたことには、3日前から捨てられてたという。

とすると、こまめに食事する赤ちゃん、3日以上も食べてなきゃもう絶望的じゃないの?

結局のところ、病院では預かれないとのことだった

理由は、

・かなりの衰弱から点滴を打つ必要があるが、体が小さすぎて針が血管に入らない。
 せめて体重500gないとできない。

・当病院には猫用のミルクは置いてない。

里親ボランテァに預けるにしても、やはり赤ちゃんという小ささでは預かってもらえない。

ということだった。

赤ちゃん猫の引き取りは、ボランテァでも無理なのだ。

.

この病院には猫用ミルクが無いので、助手の人が、
ペースト状のネコ缶をお湯で溶いたものを、
スポイトに入れて赤ちゃん猫に与えてみた。

1

だが、飲みこもうとせず、ペーストが口の周りにあふれ出るばかりだった。(↖写真)

‘プロでも飲ますことが出来ないのは、ミルクでないからだろうか?’

病院では、これ以上手の施しようがないというので、連れ帰ることとなった。

会計は、無料とのことだった。

たぶん、助かる見込みがないから、サービスしてくれたのだろうと思う。

✢ 自宅でミルクを与えてみた 

帰りがてら、ホームセンターで、猫用ミルクを買ってみることにした。

飲まないだろうが、試すだけ試したい。

猫用粉ミルクは、たいがい200mlの缶で1000円以上する高額品で、
店に置いてないことも多い。


それだけ、買う人や必要と思う人がいないということで、
赤ちゃん猫の世話が出来る人も少ないということだ。

今回はじめて、ストレートタイプの猫ミルクを見つけた。

Photo

250mlで208円という、少ない量と手ごろな金額。(ニュージーランド原産)

少ない量のミルクを作るための、微妙な粉とお湯の配合に神経使うこともないし、
結局飲ませられずほとんどが残ってしまうのは分ってるから、
これはほんとに助かるサイズだった。

自宅に戻り、ホッカイロを入れたタオルに赤ちゃん猫を寝かせ、
さっそく温めたミルクをパフに染み込ませて口に含ませてみた。

やはりミルクでさえも飲もうとせず、吐き出そうと口をぶくぶくさせるばかり。

‘スポイトで強引にのどの奥に入れないとダメか?’

ふと気が付くと、おしりからおしっこが玉のように染み出し始めていた。

病院で刺激させても出さなかったのに、ホッカイロがよかったのだろうか?Photo

ティッシュ3枚がびしょびしょになるほど、赤ちゃん猫のは大量のおしっこをした。

上半身は、ミルクでびしょ濡れだし、おしっこも拭かなくちゃいけないし、
けっこうあわててしまった。

予想外だったので、準備してなかったのだ。

しばらくして、あたたかなタオルの上に赤ちゃん猫を寝かせタオルをかけた。

赤ちゃん猫はおとなしく寝ている。

これなら、動物嫌いの家人に気づかれずに済むかもしれない・・・?

たぶん、1,2ヶ月の辛抱なのだ。

元気になって跳ねまわれるようになれば、
一本杉に置くことが出来、誰かにもらわれるチャンスがくるかもしれないのだ。

とりあえず、パフではミルクを与えるのは無理なので、スポイトを取りに実家に向かった。

✢ 野良猫も拒否 

8時半に実家に行くと、すでに寝てた母がけげんな顔で「何の用?」と起き出てきた。

「スポイトをね・・・」とためらいながら私が答えると、

「スポイトをどうするの?!」と母は不信顔。

しょうがないので、怒られるのも承知で、赤ちゃん猫を連れ帰ったことを告白した。

すると驚いたことに、母は、

「連れてきなさい!野良猫に面倒みさせよう!
子供産んだ猫がいるから世話するかもしれない」

と気が効いたことを言う。

猫が他の動物の赤ちゃんの世話をした話は聞いたこと無いけど、
おもしろい発想、やってみる価値はある。

場合によっては、知らない猫だとかみ殺されることもあるかもしれないが、
スポイトでミルクをやってみてもやはり飲まなかったので、
もうこれに賭けるしかなかった。

そしてわが家の野良猫用の猫ハウスに、箱に入った赤ちゃん猫を入れた。

外ではあるが、風は吹きこまないあたたかい作りになっている猫ハウス。

一晩様子を見ることにした。

.

次の朝、赤ちゃん猫の世話に四苦八苦する夢で目が覚めた。

かなり赤ちゃん猫が私にとって悩みの種になっている。

心配のあまり早朝の8時に早々と実家に行ってみると、驚いたことに、
我が家の猫ハウスに野良猫が一匹もいなかった。

朝から雨が降っていたというのに、ふだんいる野良猫たちが、
一匹も雨宿りに来ていないのだった。

雨の日は必ず、やむまでずっと中に入っているというのに。

母の話だと、一度、野良猫たちは来たのだが、赤ちゃん猫の気配に気が付いて
大騒ぎしながらエサもほとんど食べず帰ってしまったそうなのだ

ふだん、よそ猫とはケンカするほど気が強いくせに、
赤ちゃん猫相手に何が怖いというのだろう?

結局、その後、夜になっても野良猫たちが来ることはなかった。

✢ 飼い猫たちと赤ちゃん猫の死 

母は、かわいがってる野良猫たちが来なくなったことと、
赤ちゃん猫の今後に対する責任と不安から、
ヒステリックに私にわめきちらした。

言ってることが支離滅裂で私には理解できなかったが
「赤ちゃん猫を家に入れる」と母が言い出した時には、ありがたかった。

母は、はじめ、
「赤ちゃん猫の顔は私に見せないで!」「家の中には絶対入れないで!」と
騒いでいたのだ。

また、母は「もう一匹赤ちゃん猫はいるのよ」といって雨の中探しに行き、
ずぶ濡れの状態で、手ぶらで戻ってきた。

小屋の中にいたあの赤ちゃん猫があの状態なのだから、
外にいたもう一匹の赤ちゃん猫は絶望的だろう。

一匹ですら世話したくないと悲鳴あげてるのに、よく分らない行動だ。Photo_2

.

赤ちゃん猫は物置部屋に隔離することにした。

ふすまの外側では、マリアがやってきて心配そうに座っていた。

赤ちゃん猫は、寝てるときはほとんど鳴かないが、
ミルクをあげようと抱き上げるたびに、大声で鳴く。

ほとんど食べていないのに、どこからそのエネルギーが出るのか?

その声で、レオンも心配してやってきた。

マリアも、レオンも面倒みのいい子。

赤ちゃん猫の世話の適任は、実はこの2匹だったのかもしれない。

でも乳が出なきゃ意味ないし、赤ちゃん猫は朝から下痢が止まらず
すぐにうんちまみれになる状態になっていて、さわらせるわけにはいかなかった。

日中は、母と私で2時間おきにミルクを与えていたが、
まったく飲みこむしぐさはみせず、ただスポイトから出した分のミルクで
いつの間にやら、赤ちゃん猫の上半身がびしょ濡れになるのみだった。

でも、唾液を飲みこむほどには飲めたのではないか?とも思ってはいた。

食べる行為は体力がないと出来ないといわれるが、
暴れる元気、大声で鳴く元気があるから、すぐに死ぬとは思わなかった。

次の朝6時に見たら、赤ちゃん猫はすでに天国に旅立っていたのだった。

.

去年、野良猫の生まれて間もない赤ちゃん猫にミルクを与えたことがあった。

子猫が嫌いな母が大騒ぎしたものだから、親ねこが子猫を置いて逃げてしまったのだ。

4時間も親ねこは戻って来ず、心配した私が猫用ミルクを買って、
6時間後スポイトであげてみたが、
口をぎゅっとして開けようとはせず、まったく飲まなかった。

いつのまにやら親ねこが連れ帰ったが、その後、親ねこしか見かけないところを見ると、
赤ちゃん猫は死んでしまったようだった。

それ以来‘6時間ミルクを飲ませないだけで、赤ちゃん猫は結局死んでしまうもの’と、
私は思うようになった。

病死や外敵に襲われたとも考えられるが、赤ちゃん猫にはすぐにミルクを与えないといけないと
私は思っている。

.

‘猫は野生だから一人でも生きていける’という人がいるが、
これが、一人で生きる羽目になった、赤ちゃん猫の現実なのだ。

 

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