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« ねこつぶ(ミケの反抗期) | トップページ | ねこつぶ(リキ君の初恋①) »

2015年2月 5日 (木)

6年ぶりの再会

6年間、消息不明だったツレの弟から突如、婚約者を連れて帰郷するとの連絡があった。

彼が九州にいるらしいという意外、どこに住んでいるのか、どこで働いているのか、
何も知らされず、長年、音信不通となっていた。

あの東日本大震災が起きた時でさえ、連絡もよこさなかったのだ。

ここだって被災地だというのに・・・。

弟君は、石田純一タイプで、結婚を繰り返しては子供が生まれ、
両家の親を巻き込んでの離婚騒動を毎回起こしていた。

今回で4回目の結婚となる。

そんな彼の生きざまに、兄であるツレは腹を立て、叱ったものだから、絶縁状態になってしまっていた。

ツレは私に言った。

「俺は、会っても、頑として話はしないつもりだsign01annoy

だけど、会食の店選びや渡すみやげ探しの必死さに、弟に対する愛情がありありと見えてたから、

「そうはいっても、あなたのことだから、きっと、にこやかに会話すると思うよ」と私は答えた。

.

数年ぶりに会った弟君は、まったく老けた様子は見られなかった。

つまりは、実年齢より10歳以上若く見えた。

婚約者の女性は、弟君よりなんと19歳年下で、鼻の高い、すらりとした体型の美人タイプだった。

前妻たちが、丸顔の体も小さめな可愛いタイプだったものだから、これにはとても意外だった。

立場的に東尾理子さんになるから、何かこの状況を変えてくれることになるのだろうか?

彼女の父親の年齢は、弟君とわずか3歳しか違わないということだった。

見た目が若いとはいえ父親と同年代の人と結婚する人の気持ちはわからないが、
これが今どきの若者の普通の考えというものなのだろう。

それにしても、再婚を繰り返すような男に「難あり」と不安に思わないのか、
本当に幸せそうな表情を見せている。

弟君も、過去の失敗に負い目を感じないようで、満面の笑みだ。

たしかに、結婚を繰り返しているといっても、毎回段取りはちゃんと踏んでいて、
結婚➜妊娠➜出産➜離婚と、養育費だって全額なんだかんだで完済してるという話だから、
悪いことしてるわけでもないともいえるが・・・?

ただ、離婚のたびに唯一の一族の後継者である初孫が相手方に引き取られる母君の悲痛さを、
弟君は、まったく気が付いていないにちがいない。

母君は、どういうわけか、昔からツレに子供を期待しておらず、結果、現在、ツレに子どもはいないのだった。

どうも私の親戚含め、周りにいる男どもは、子孫繁栄、一族継続など、まったく頭にないらしい。

.

会食では、母君が弱弱しい感じで、必死になって二人に話しかけていた。

面と向かって会話できるのは、この2時間だけだったから、いそがないといけなかった。

積もり積もった話をどこから話したらいいかわからない様子で、
少々支離滅裂ぎみだったが、弟君は、いらだつこともなく、穏やかな表情で受け答えしていた。

背筋を伸ばし、静かなしゃべり口調や身のこなしは、どことなく、王子的要素が垣間見れた。

そういうところが、きっとモテるところなのだろう。

ツレはというと、背を丸めて一人飲みのように、ただニコニコしているばかりで、
たまに私にしかわからない冗談をぼそぼそと口走っては、変な空気にさせていた。

そんなものだから、私が率先して集合写真を切り出さなければならなかった。

別に私は、彼らの写真など欲しくはなかったのだが、
年寄りというものは、身近にいない人に対して、写真に話しかけたがる習性があり、
ツレを通して両親から頼まれてたこともあって、頑張るしかなかった。

集合写真のあと、

「お二人だけの写真も撮らせてください」と言ったら、

「カップル同士で、撮りあいっこするわけ?」と弟君が、とんちんかんにも私たちを指差しながら半笑いする。

「そうじゃなくて・・・」

どうしたら伝わるのかまごついていたら、すぐに母君がやってきたので、
念願の3人の写真が撮れた。

弟君は、まったく残された者たちの気持ちが分らないのだ・・・---------って、
私たちは残されてるのか??

.

九州は遠い。

話によると、飛行機では2時間で行けるらしいが、持病でご両親たちは乗れず、
新幹線などでは5~6時間かかるそうで、歩くのもやっとな状態では、とうてい行けそうもなかった。

弟君の話だと、九州は、朝の7時は真っ暗で、夜8時はまだ明るいそうだ。

花火大会だと、夜九時から始まって30分で終了になるという。

こちらでは1~2時間は当たり前だから驚いてしまう。

まぐろを食べる習慣がなくて、麦みそ仕立てのため、しょうゆや味噌汁が甘めだという。

たしかヨーロッパでは回転寿司のしょうゆは、蒲焼のたれほどに甘いと聞いたことがる。。

‘九州って日本じゃないんだ(外国寄りだねの意味)’
と聞いていて思った。

.

2時間はあっという間に過ぎ、別れの時間となった。

母君は、今生の別れとも言わんばかりに、弟君にしがみつき泣いていた。

私たちにとっては今や、九州は「最果ての地」ともいえた。

ほんとうに、もしかすると、みんなで会えるのは、これが最後かもしれない。

弟君が去り際私に面と向かって、

「兄貴をよろしくお願いします」というので、

「は、はい。あなたもお元気で」

と、あたふたとあわてふためいて無難な返事をしてしまった。

‘先のことなんか約束できないワ・・・’

弟君は、両親の老後など将来の不安などすべてを私たちに預けて、自由そのものだった。

彼に見えているものは、幸せな結婚生活と未来。

かわって私たちは、持ち家もない、墓もないにもかかわらず、
親戚たちも気暮らすこの生まれ育った土地から動くことが出来ないのだった。

映画「ゆれる」(2006年西川美和監督・脚本)を思い出してしまう。

地元に残り家業のガソリンスタンドを地味に守り続けるさえない兄(香川照之)と
写真家として活躍する華やかな弟(オダギリジョー)の対比。

事実、周りを見渡しても、兄弟ってこういう役回りになっている。

.

会食はうまくいき、「会ってみれば、なんだ、弟くん、いい奴だったじゃん」と、
長年の決裂も解消したかに思え満足な結果となったが、
でもまだ、こころなしか、しっくりしない気持ちが無いでもない。

帰路に就く車のカーラジオからは、
中島みゆきの「世情」(金八先生で有名の歌)がたまたま流れ始めて、
別れの悲しみを、なお一層深めていた。

Photo

(このほかに、シラス南高梅炊き込みご飯、常陸牛ステーキ)

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